元外資系マーケッターが語る戦略的マーケティング

元外資系マーケッター金泉勇次のブログ。中小企業、個人事業主、副業の学生や主婦までをサポートするビジネス・マーケティング・アドバイザーです。

言うことを聞かない人たち

世の中には、言うことを聞く人を

何を言っても、聞かない人がいる。

外資系のマーケティング部だったころ、

営業やプリセールスSEをサポートしていた。

多数のドキュメントを作り、

Q&Aシートを作り、

プレゼン資料を作り、

本社とのやり取りを行い、

客先でプレゼンを行い、

セミナーを実施していた。

私が作る資料は、数十ページのものから、

数ページにもの、プレゼン資料やワードになる。

それらを営業&SE向けに説明会を開き、

使い方を説明していく。

多くの場合、営業は半分も理解しない。

実際はSEに対するサポートがメインになる。

営業向けには、チラシやカタログを用意する。

それ以上の説明をさせることも無い。

多くの場合、お客様もそれを望まない。

担当SEが明確な答えを持っていれば、

営業にその部分を要求しない。

営業はSEの言葉を真似るというセールストークを使う。

そのため、勉強会ではSEのサポートがメインになる。

いろいろな資料を作り、

セールストークを用意するが

その売り方を使わない営業がいる。

つまり、言うことを聞かない営業である。

大きく分けて、言うことを聞かない営業は

売れない営業が売れる営業である。

売れる営業は自分のスタイルを持っており、

売ることに対して、マーケティングから出た情報を使わない。

逆に、必要な情報をリクエストしてくる。

営業にとって売れることは、説得力であり、

売れる営業のリクエストは社長でも受け入れる。

そのため、売れる営業が私の販売戦略を使わないことは

問題だとは思っていない。

もちろん彼らも使えるところは使っている。

説明会の後に的確な質問がくるのは間違いなく

優秀な営業マンからである。

逆の人が最も悪い。

売れないが言うことも聞かない営業である。

独自の手法を持っているのは分かる。

こちらもそれを尊重したいと思っている。

しかし、それが効果的で無いことに気づいているのか、

まったく気づいていないのか?

基本的に外資系の社員はわがままである。

新卒を採用することは少なく、

他社でそれなりに実績のある人が採用される。

それなりに自信を持っている人たちである。

そんな人たちを説得し、

私の戦略に納得させるのは一苦労である。

そんな営業をサポートするよりも

別の人をサポートしたほうが得策と考えるSEもいる。

私が在籍した会社は、

SEも指名することができ、

マーケティングのサポートも名指しで指名がくる。

そのため、人気が一目で分かり、

忙しい人と、暇な人の差がはっきりする。

しかし、私はその売れない営業を極力サポートした

今考えると正しい選択だったとは思えない。

かなりの時間を浪費し、

その時間を優秀な営業マンに注力していれば、

もっと高い結果が得られたかも知れない。

私が師と仰ぐ部長からこんなことを言われたことがある。

「もうすこし優秀な営業マンがいれば、

もっと別の仕事をしてもらえるのに」

何が正しいのか分からないが、

がんばっている弱者は応援したい

という気持ちは変わっていない。

結果が全てではあるが、

どのような状況からでも結果を出すことが、

本当に優秀な人間の力であると知っている。