元外資系マーケッターが語る戦略的マーケティング

元外資系マーケッター金泉勇次のブログ。中小企業、個人事業主、副業の学生や主婦までをサポートするビジネス・マーケティング・アドバイザーです。

EPARK(くら寿司)のGoToEat戦略を考察

GoToEatキャンペーンは多くの方が利用したと思います。

私も仕事場の近くに「くら寿司」があるので、キャンペーン前から、ランチで利用していました。

くら寿司の予約システムはEPARKが受けておりますが、素晴らしい戦略だったのではないかと思い、考察記事を書いてみます。

まず、この記事を書いている11月15日23時において、大手予約サイトは、GoToEatの受付が終了しています。

そして、本日くら寿司に行きましたが、GoToEatの広告は設置されており、現在も継続しています。

加えて言うと、ホットペッパー経由で別の飲食店にも本日の昼食で利用しましたが、GoToEatに関する店の装飾は全てなくなっていました。

それを踏まえ、EPARKの状況を時系列的に書きますと

10月19日より、くら寿司のGoToEat開始

申請から、最短1時間ほどポイント付与される

開始1週間ほどは、いつでも予約が取り放題

開始2週目には、週末と15時以降の予約が取りづらくなる

11月に入り、無限くら寿司などと話題となる

11月2週目には、ほぼ予約がとれない状況

11月14日(土)からポイント付与されない

サイトにはポイント付与は6日後との記載

といような状況で若干の炎上ぎみです。

今考えても開始1週間は取り放題でした。

毎日のように行っていたので、くら寿司を食堂などと表現したり、連日の訪問で飽きてきたので、うな丼、かき氷、ケーキ、200円の皿を攻略など、通常では考えられないような食べ方をしたことを思い出します。

GoToEatは終わっているのにEPARKは告知できていないなど、時系列の流れを見ているとEPARKのずさんな管理でポイントが付与されないというようにも見えます。

実際に終盤は予約がとれず、接続することも困難なことも多々あり、アプリのコメントは酷い内容ばかりです。

しかしながら、この状況を冷静に分析しますと(大げさに言ってますが)戦略が見えてくるように思えます。

まず、以前のEPARKはくら寿司の予約システム程度の認識でした。

しかし、無限くら寿司が話題になると相当のユーザーが増えたようです。

アプリのコメントが(内容の良し悪しは別として)、桁違いに増えています。

相当数の人がアプリをダウンロードしたことは間違いありません。

無限くら寿司で話題を作り、ユーザー数が増えているところで、GoToEatは終わってしまう・・・

これでは戦略になりませんが、11月14日から、ポイントが付与されないというところに戦略を感じます。

14日には大手の予約サイトはGoToEatの予約ができなくなりました。

その中で残っているのが、EPARKだとしたら、注目度は断然上がります。

しかし、なぜEPARKのGoToEatは終わらないのか?と疑問に思うことでしょう。

それは他のサイトと大きな違いがあるからだと思います。

内部情報を知っているわけではありませんので、推測の部分もありますが、以降は、それを踏まえてお読みください。

例えば、大手のホットペッパー、ヤッフーロコ、食べログなどは、EPARKの10倍、下手したら100倍のユーザーがいます。

取り扱い店舗数も桁違いであることは言うまでもありません。

EPARKは、くら寿司が中心で、和食さと、ココス、他は地域が限定されていたり、小規模の店舗で有名どころはありません。

このGoToEatの終了は、最後に一定の予算が予約サイトに分配されたのではないかと考えています。

そうなると残り予算〇〇円が割り振られたときにギリギリまで延長できるのは、どこでしょうか?

それは対象店舗数が圧倒的に少ないEPARKです。

EPARKは同一店舗で複数の予約をすることができませんが、ほかの予約サイトでは複数の予約をすることができます。

極端に言えば、GoToEatの締め切り間際にこの先1か月分の予約をすることもできます。

または、対象店舗が多いですし、前日くらいまでは、キャンセル費用は発生しませんので、とりあえず多数の店舗を予約したという人も多くいたと思います。

その点、EPARKでは同一店舗で複数予約ができないため、同一人物が大量の予約をすることができません。

そして、前述のとおり、ユーザー数は圧倒的に少なく、対象店舗も圧倒的に少ないわけですから、簡単には残り予算を消化することはありません。

このタイミングでポイント付与を遅らせ、無限ループが間に合わない人には追加の現金を投入させ、獲得ポイントを増やし、大手予約サイトがGoToEatの受付が終了していても、まだ継続できる状況を作ったと推測しています。

これが戦略的に作られたものであれば、巧妙としか言いようがありません。

まあこんな記事を書いていながら、週明けには、本日利用分で終了などと突然の告知で強制終了もあるかもしれませんが

・・・(笑)

少なくともEPARKのミスでポイント付与できませんなどという凡ミスはありえないでしょう。

今後のことを考えれば、ここまでユーザーを増やした意味がなくなってしまいますので、巧妙に仕組まれた戦略だっとを考えるのが正しいと思われます。

もしかするとGoToEatによるEPARKの躍進で、大手3社と肩を並べるレベルになるかもしれませんね。

あとはこの延命をどこまで伸ばすことができるか?でしょう。

今後の状況も継続して注視したいところです。

なお、当記事は11月15日23時ころに考察したものであり、刻一刻と変化する状況で全く的外れな内容になっている可能性がありますので、ご理解のほど、よろしくお願い致します。