元外資系マーケッターが語る戦略的マーケティング

元外資系マーケッター金泉勇次のブログ。中小企業、個人事業主、副業の学生や主婦までをサポートするビジネス・マーケティング・アドバイザーです。

いつかは・・・と思わせるプロモーション

「いつかはクラウン」

このキャッチコピーは20年以上も前のもの

しかし、この戦略は今でもいつまでも有効な方法である。

「いつかは・・・」

この言葉に男性は魅力を感じるだろう。

人生のステージが上がれば、

カローラ、コロナ、マーク?となり、

最後のクラウンで「いつかは」を手に入れる。

この思いは誰の心にも突き刺さる。

クラウンに乗ることが成功者であるような、

そんな優越感を得ることができる。

例えば、金持ちはベンツに乗る。

ベンツに乗ることの優越感があり、

ベンツが好きだとは思えない。

私の知り合いもベンツに乗っているが、

ベンツが好きなのではなく、

ステータスだと言っている。

ここでも「いつかはベンツ」という思いが

この高いベンツへの購買意欲へとつながっている。

そのため、高くても買う。

製品がどうのとか、乗り心地とか、

そんなものは関係ない。

ベンツオーナーであることがステータスである。

私は外車に興味が無いので、

ベンツに乗りたいとは思わないが

セルシオやレクサスには乗りたい。

数年前にマークXを買いに出かけたが、

我が家の車庫は高い段差があり、

ホイールベースが長い車は入らないのでやめた。

マークXの購入意欲を高めたものは、テレビCMだった。

キャッチコピーは「男の真ん中でいたいじゃないか」

佐藤浩市氏が出演している。

デキルビジネスマンをイメージさせる。

車庫に入らないため、担当した営業マンは、

急いでいろいろな車を提案してきたが、

他の車では「男の真ん中」にはなれない。

結果的に妻の意見で「男の真ん中」とは程遠い車を

買うことになった。

私は「男の真ん中」では無かったようだ。

車の話が多くなったが、

いつかは・・・というコピーには夢がある。

自分のステージを上げていく。

そして、いつか夢見た車を買う。

20世紀の男のロマンが、そこにあったように思う。

高度成長と連動した部分も大きいとも感じる。

このキャッチコピーは短期では使えないので、

長期的なブランディングに使う。

「いつかは・・・」と言っているのに無くなっては困る。

ブランドが確立すれば、

本当に値引きしなくても、

むしろ高い方が売れることになる。

「いつかは・・・」を手にした人に

本当の優越感を与えることができれば、

商品の価値以上に満足して頂けることは間違いない。