マーケティングデータでダマす方法
マーケティングのデータは相手を説得するため、
多くの場合、情報は操作されている。
もちろん使うべき情報を選別しているだけで、
データ自体を変更しているわけではない。
もっとも分かりやすい情報は、
「全米ナンバーワンヒット」である。
ハリウッドの映画は全て全米ナンバーワンヒットである。
そんなにナンバーワンがあるのか?
そんな疑問はあるだろう。
ここには当然のカラクリがある。
日本ではオリコン○○位というメッセージがあるが、
オリコンの順位を変えることは簡単では無い。
そこにはオリコンという会社があり、
そのオリコンの集計方法があり、
その正当性、公平性が非難されれば
オリコン○○位に何の意味も持たなくなる。
しかし、全米ナンバーワンヒットは違う。
そこには何の基準も無い。
何がナンバーワンヒットなのか?
興行収入なのか?
来場者数なのか?
どんな人たちが対象なのか?
いつのデータなのか?
あくまでも
全米ナンバーワンヒットというだけである。
ひとつだけ書いてある条件は「全米」であり、
アメリカ全土という意味であろう。
カリフォルニア州だけではないということ。
数年前になるが、ある業者に提案を行った。
私の会社も操作したマーケットシェアを出したが、
私の前に提案した会社は。もっと露骨な操作をしたようだ。
私はマーケットシェア30%弱というデータを見せた。
しかし、私の前の会社はシェア80%と出していた。
合計すると110%になり、話がかみ合わない。
先方には、ご立派なコンサルファームが入っていたが、
状況を把握できていないらしく。
「このマーケットシェアは○○を入れていないわけですね」
などと間抜けな質問が来た。
さすがにそこまでデータを操作することしない。
しかし、1位のデータと5位のデータがあれば、
1位のデータしか見せないのは当たり前である。
このような状況はいくらでもある。
私が思うに全米ナンバーワンも、
ある特定の週であるとか、特定の日を公開日にし、
1週でも1日でも全米ナンバーワンの
動員数か、興行収入か、何か別なものか、
ヒットと思われるものを獲得できれば良いのである。
データは常に操作される。
操作とはデータ自体を変更することではなく、
都合の良いデータしか見せないということ。
テレビでも人気ナンバーワンとか
売り上げナンバーワンとか
大反響とか大人気とか、
いろいろな言葉で巧みにダマそうとするが、
多くの場合、データは操作されている。
先ほどのコンサルファームでは無いが、
そのような情報に惑わされないことは、
この情報化社会では、必須の能力である。