元外資系マーケッターが語る戦略的マーケティング

元外資系マーケッター金泉勇次のブログ。中小企業、個人事業主、副業の学生や主婦までをサポートするビジネス・マーケティング・アドバイザーです。

浅田真央選手は、マーケティングで負けた

フィギュアスケートの浅田選手有名だが、

バンクーバーオリンピックでは、銀メダルである。

もちろん、立派な成績であることは間違い無いが、

やはり、金メダルが良いに決まっている。

私も日本人なので、偏った見方をしているのは分かっているが、

それでも、浅田選手とキムヨナ選手の差が、

あれほどの得点差になるとは思えない。

そこには、別の要因があるように思えるので考察してみた。

高得点の決定的な要因は、なんだろうか?

高得点の決め手は、間違いなく会場の歓声である。

会場が盛り上がれば、審判の得点も上がる。

公平な審判であるが、本当に冷静な判断ができるのかと言えば、

それはありえない。

大盛り上がりの会場で演技しているのと、

ブーイングの中で演技しているのでは、

間違いなく点数が違う。

これは、フィギュアスケートだけの話ではない。

いろいろな競技で同じことが言える。

特にフィギュアのような芸術的な演技であれば、なおさらである。

会場の歓声の中でこそ最高の演技ができ、また審判の点数も上がる。

となると、会場の歓声をどこまで出すことが出来るかが

大きなポイントになる。

会場はカナダのバンクーバーである。

多くの客はカナダ人である。

カナダ人は、どんな人たちなのだろうか?

浅田選手のサポーターはこの戦略を考えたのだろうか?

キムヨナ選手は、カナダでトレーニングをしており、

カナダを熟知していると考えるべきである。

つまり、カナダ人が好きな音楽、振り付け、衣装、ステップ・・・

こんな当たり前のことを浅田陣営は戦略的に考えたのだろうか?

残念ながら、足りなかったのでは?と思える。

ショートの点差が、精神的にも大きなダメージになることは明確である。

ショートの007は間違いなく、カナダ人に受け入れられる。

浅田選手のショートが、すばらしい演技であったにも関わらず、

あれだけの点差になったのは、浅田選手の能力ではなく、

陣営の戦略不足であった可能性も否定できない。

素人でも分かるが、ショートであれだけの点差になれば、

フリーでの巻き返しは、キムヨナ選手のミス以外にありえない。

そうなれば、先に演技したキムヨナ選手の大歓声を聞いた段階で、

負けることが分かる。

浅田選手がフリーの演技に向かうシーンでも、その状況が分かる。

金メダルという国民の期待を背負っているわけだから、

フリーの演技でミスをしてしまうのも仕方ないと思える。

逆を言えば、あれだけのミスをしても、銀メダルなのだから、すばらしい選手である。

しかしながら、どんなにすばらしい選手でもまだ、19歳である。

サポーターが最高のテンションで最高のコンディションで演技ができるように

最高のステージを用意してあげる必要があったのでは無いだろうか?

残念ながら、今回は最高には少し届かなかったのかも知れない。

誤解の無い様にして頂きたいが、浅田選手は最高の演技をした。

結果は銀メダルだったが、浅田選手には一点のミスも無いということである。

いまどき、スポーツが本人の努力だけなどとは誰も思わないが、

チームが、日本が、もっともっと浅田選手を戦略的に応援しなければならない、

そう思える結果であったと感じている。