元外資系マーケッターが語る戦略的マーケティング

元外資系マーケッター金泉勇次のブログ。中小企業、個人事業主、副業の学生や主婦までをサポートするビジネス・マーケティング・アドバイザーです。

海外で仕事をすることとは?

私は、25歳のときにオーストラリアで働いていた。

本当に何も考えず、働きたいと思っただけある。

笑えることに、初めての海外であり、

飛行機に乗ったのも、数える程度だった。

現地では、英語学校に通い、

地元の日本人向け雑誌を読み、仕事を探す。

もちろん多くの日本人が滞在しているため、

コミュニティーを作ることは簡単である。

日本人をサポートする会社や人々も多数存在し、

一般的なコミュニケーション能力があれば、

ほとんどの場合、何一つ不自由しない。

求人紙で仕事をみつけ、面接をし、

めでたく採用となったが、驚くことに給料が安い。

私はワーキングホリデービザを使ったため、

税率は30%あり、週に700ドル稼いで、

500ドル弱の手取りとなる。

日本円にして、20万もない。

これでも安いほうでは無い。

一緒に住んでいたオーストラリア人は、

IBMに勤めていたが、手取りは私と変わらない。

もちろん、現地の人なので、税金や、年金やら、

保険やら支払いが多いが、それでも低い。

失業手当が充実していると言っていたが、

真面目に働いている人から見れば、

関係ない話である。

その中で最もお金を持っている日本人は、

日本から転勤で来ている日本人である。

給料は、日本で受け取り、現地での費用は、

ほぼ全て支給される。

マンションも食費も全て支給される。

娯楽以外の費用が全て出るのだから、

海外転勤とは最も得な方法である。

私は1年近くそこで働いていた、

それ以上は無駄な時間であると理解した。

それまでの認識では、

海外で働く人=すごい人

であったが、

現実は、そうでもない。

私が働いていた会社も多くの日本人が出入りしていたが、

その中で成功者といえる人は少ない。

今では、

「海外で働くこと=すごいこと」

ということは無い。

むしろ、単に何も無く海外に出て、

現地で仕事を見つけて、安月給で働くことは、無謀である。

以前、知り合いが

アメリカに渡って仕事をすると言ったので、

やめるよう説得した。

もちろん、現地でのコネがあり、

入る会社も決まっていて、給料も保証されているなら、

何も考えることは無い。

しかし、何も無いのであれば、やめたほうが良い。

学生時代に留学するなら良いが、

仕事を目的に海外に出るべきではない。

日本はすばらしい国である。

もし、海外で仕事をしたいと考えているのであれば、

日本の会社に入り、海外に転勤すべきである。

それは強力なステータスであり、

すばらしい人生経験になる。

それが途上国であっても良い。

しかし、その海外転勤は容易ではないはずだ。

希望者は多く、キャリアになるのであれば、

その選考に勝ち残ることも簡単では無いかも知れない。

私が帰国したあとは、外資系企業に入り、

出張という形で海外にでることが増えた。

それは貧乏な現地雇用ではなく、

豊富な手当てとホテルが用意された

正にビジネストリップである。

海外での仕事を希望する人は多い。

私がアドバイスするとしたら、

大学生のときに休学し海外に留学すべきである。

そして、就職の際は、

海外に転勤できる会社を探すべきである。

社会人になってから、海外に出ることは

いろいろなところで手間がかかる。

その点、大学生であれば、休学することもできるし、

本当の意味で勉強できるすばらしい期間である。

海外で仕事をしたいと思う方は、

あまり考えると何もできなくなるが、

ある程度期間を決めて行動をすべきである。

そして、日本に帰ってくることを前提に

スケジュールを考えたほうが得策であることは間違いない。

余談だが、すでに日本に帰れない方は現実的に多い。

海外を転々とすると、

どの国でも医療保障、年金が不完全になり、

極めて苦しい老後を送ることになる。